あなたは自社のブログ(オウンドメディア)を運営しながら、note.comにも記事を投稿していますか?もしくはこれから始めようと考えていますか?
両方のプラットフォームに全く同じ内容の記事を投稿すると、検索結果での表示に問題が生じる可能性があります。この記事では、そのリスクと対策について初心者にも分かりやすく解説します。
SEOとLLMOって何?
まずは基本用語を確認しておきましょう:
- SEO(検索エンジン最適化): GoogleやBingなどの検索エンジンで上位表示されるようにウェブサイトを最適化する取り組みです。
- LLMO(大規模言語モデル最適化): ChatGPTなどのAIが生成する回答に自社の情報が含まれるように最適化する新しい取り組みです。

同じ記事を複数サイトに投稿する問題点
1. SEOの観点での問題
重複コンテンツによる評価の分散
同じ内容が複数のURLで存在すると、次のような問題が起きます:
- 検索エンジンがどちらのページを優先すべきか判断できず、評価が分散
- 外部サイトからのリンク評価が両方のコンテンツに分散され、SEO効果が低下
- 自社サイトとnoteの記事が検索結果で互いに競合(カニバリゼーション)
クロール効率の低下
検索エンジンのロボット(クローラー)が重複コンテンツの処理に余計なリソースを使うことで:
- 新しいコンテンツの検索結果への反映が遅くなる
- サイト全体のクロール効率が低下する
ペナルティリスク
現在のGoogleは重複コンテンツに直接的なペナルティは課していませんが、意図的な重複コンテンツの作成はスパムとみなされ、最悪の場合は検索結果から除外されるリスクもあります。
2. LLMOの観点での問題
AIによるコンテンツ評価の低下
同じ記事を複数のサイトに掲載すると:
- AIは複数の情報源から同じ内容を検出すると、独自性が低いと判断
- 生成AIは「オリジナルで具体的な情報」を優先するため、重複コンテンツは引用されにくい
検索生成体験(SGE)での不利
Googleの検索生成体験(SGE)が導入されると:
- AIがコンテンツを統合して回答を生成する際、重複コンテンツは一元化され、個別記事としての価値が低下
- オリジナリティのある一次情報を持たないコンテンツは、AIの回答ソースとして選ばれにくい
note.comと自社サイトの特性の違い
noteのSEO特性
- noteは非常に高いドメイン権威性を持つため、新規記事でも速やかに検索結果に表示される傾向があります
- ただし、noteの外部リンクにはnofollow属性が設定されているため、自社サイトへの被リンク効果は期待できません
自社サイトのSEO特性
- 自社サイトは自由度が高く、メタタグやタイトルなどを細かく設定できる
- オリジナルのドメインで運営することでブランド構築に有利
- 新設サイトの場合はドメインパワーが低いため、初期は検索順位が上がりにくい

対策方法
1. 技術的な対策
カノニカル(正規化)タグの実装
<link rel="canonical" href="https://オリジナルコンテンツのURL" />
これにより、Googleに「正規版」を明示し、評価を一つに集約できます。通常は自社サイトをオリジナルとして設定しますが、noteの方が検索順位が高い場合は逆もあり得ます。
noindex タグの設定
どちらか一方(通常はnote側)に以下を設定:
<meta name="robots" content="noindex">
このページは検索エンジンのインデックスから除外されます。ただし、noteでこれを設定するのは難しい場合があります。
301リダイレクトの使用
片方のURLからもう片方へのリダイレクトを設定し、完全に統合する方法です。
2. コンテンツ戦略の見直し
自社メディアとnoteの使い分け
自社メディア向き:
- SEOを意識した専門性の高いコンテンツ
- 詳細な分析や解説
- 顕在層向けの実用的情報
note向き:
- トレンド情報
- 個人的な見解
- より軽めのコンテンツ
内容の差別化
同じテーマでもそれぞれのプラットフォームで以下のように差別化:
自社メディア:
- 詳細で包括的な情報
- データ分析
- 専門用語を使った深い考察
note:
- 概要や要点のまとめ
- 個人的な体験談
- より親しみやすい表現
3. LLMO対策としての差別化
AIの回答に取り上げられやすくするには:
- オリジナルデータや一次情報の提供
- 具体的な数値やケーススタディを含める
- 権威性を示す引用や統計データを活用

最適な使い分け戦略
初期段階
まず自社メディアで本格的なコンテンツを発信し、noteでは要約や補足情報を投稿します。
長期運用
自社サイトを専門知識のハブとして位置づけ、noteはより広いオーディエンスへのリーチ手段として活用します。
相互連携
両メディア間で適切に相互リンクし、ユーザーフローを設計します。例えば、noteでは「より詳しい情報は自社サイトへ」といった誘導を行います。
まとめ:どうすれば良いの?
note.comと自社オウンドメディアの両方に全く同じ内容の記事を投稿することは、SEOとLLMOの両面から避けるべきです。
代わりに、以下のいずれかの方法をおすすめします:
- 内容を差別化する:同じテーマでも、それぞれのプラットフォームの特性に合わせて内容を変える
- カノニカルタグを設定する:技術的に重複コンテンツの問題を解決する
- プラットフォームを使い分ける:noteと自社サイトで投稿する内容のテーマを分ける
どのような戦略をとるにせよ、各プラットフォームの特性を理解し、ユーザーに価値あるコンテンツを提供することが最も重要です。SEOもLLMOも、最終的にはユーザーに役立つ情報を届けるための手段にすぎないことを忘れないようにしましょう。